2012年9月2日日曜日

『草原』24-07(通巻115)号より


お経に飽きてハナミズキ  馬堤曲
 ハナミズキといえば、一青窈(ひととよう)の「ハナミズキ」の楽曲を思い出します。一青窈は、台湾人の父と日本人の母をもつ女性シンガーで、個人的に、彼女の歌が好きなのです。お寺の庭に、紅く咲いているのでしょうか。

スカイツリーが一面の朝の新聞配っていく  啓司
 恥ずかしながら、スカイツリーというものの存在を知ったのは、この前の三月の半ばのことでした。地方に在住していることに加えて、テレビも家になく、新聞もとっていないため、知ることなく過ごしておりました。東京の知人が来福した際のお土産がスカイツリークッキーでして、「これ、なんですか?」と聞いてしまったのでした。

朝が来て蛍籠の中の死骸  風狂子
 蛍狩りの翌朝の景でしょう。お子様も悲しまれたことでしょう。蛍はほんとうにはかなく散っていきます。

玉子かけご飯に玉葱の味噌汁  白兎
 夕飯前のお腹がすいた時間帯にこの記事を書いているせいか、この句が目に焼き付きました。お腹的に魅力のある句です。

古地図の日本が大きい東洋文庫  ゆ
 東洋文庫には、ここ十年、断続的にお世話になっています。珍しい文献を多く所蔵しているのです。ただ、古い文献になるとなかなか貸してくれず、また、コピーを頼むと一枚二十円と、通常の二倍の金額なのがネックです。

ふるさとは逃げ水の先  慶
 逃げ水が、ふるさとへ続く道へあらわれたのでしょう。思えばふるさともまた、逃げ水に輪をかけたような幻なのかもしれません。

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