2012年9月2日日曜日

『草原』24-05(通巻113)号より


もの言わぬ酒の澄み切っている  明人
 日本酒か焼酎でしょうか。昔飲み会で、焼酎の注がれたカップをしみじみ見ながら、「この澄んだ水をみろ。ここにすべての歴史がつまっている」と言いながら泥酔していった先輩を思い出しました。確かにもの言わず、美しく澄んでいます。

梅林の花びらが昼シャワー  操子
 贅沢な昼下がりとなりました。朝シャンならぬ昼シャンというところでしょうか。すがすがしいです。

晴天の朝にダンゴムシつついている  馬堤曲
 なぜこの日この時よりによってダンゴムシをつつくことになったのか。どう問われようとも何の理由もないだろうところに、面白みがあります。

春キャベツの鮮やかな緑色  啓司
 行きつけの食堂の味噌汁に、キャベツが入るようになりました。これまで味噌汁の具にキャベツというのは思いもしない組み合わせでしたので、最初はとまどいましたが、食べてみるととにかく美味い。キャベツ味噌汁を知らなかったこれまでの人生、少しばかり損をしてきたように思いました。

眠る児の睫に見入る  福露
 子供の睫は気のせいか妙に長く、また美しくみえます。ついつい見入ってしまう気もちがよくわかります。健やかに育ちますよう。

子が五年生になる妻の五回忌  句塔
 子が学校を卒業すると、このカウントもできなくなります。少しずつ時は流れて、子は大人になっていくのでしょう。

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